公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

介護保険(外出介助)で投票所へ

 身体が不自由なために投票所まで行くことができない、という声を高齢な方々からしばしば聞きます。民主主義を担保する大前提の参政権。高いお金をかけ、介護タクシーや有償福祉運送などを依頼することもできますが、基本的人権の行使が困難な人がいるならば、権利の行使をサポートすることは、公共政策の重要な役割です。
 しかし、藤沢市では、選挙管理委員会介護保険担当部局でさえも、介護保険を用いることで、一割負担で投票所までの外出介助を受けることができることをほぼ認識していませんでした。介護している肉親について選管に問い合わせした際に、有効な手段を示してくれず、結局、投票を諦めざるをえなかった、という声もありました。
 今回、6月議会での一般質問に先立ち、市当局に市内の介護事業所を調査してもらったところ、6割弱のケアマネージャーは外出介助が可能であることを認識していたそうです。しかし、これまでの実施事例は17件でしかありませんでした。
 この春の統一地方選挙では、藤沢市投票率は県下最低の38.73%でした。選挙啓発に力を入れることは選管の使命ですが、投票したいと思っている人が投票できていない現状は論外です。全国各地の自治体が、選挙時の介護保険に関する案内をホームページに掲載するなどしている中、藤沢市は全くの認識不足だったようです。
 今回の私の一般質問で、市当局は、介護職員や介護保険利用者へ周知徹底することを確約しました。介護保険を利用されいてる関係者の方々は、選挙の際には、ぜひ、投票所への外出介助をケアプランに盛り込んでくれるよう、ケアマネージャーさんに相談してみてください。