公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

国立市議会の無責任(二小樹木移植問題)

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一昨日、国立市議会は「二小樹木の無責任な移植プロジェクトの中止と危険な仮置き樹木の撤去を求める陳情 」を全会一致で不採択とした。
多くの議員が採決前に意見を述べた。
反対理由として、やり始めてしまったことを中止するには無理がある、とか、陳情で危惧されていることはそれなりに対処されている、と難癖を付けていたが、付された意見には現状の懸念や当局への批判や注文が述べられていた。
しかし、採決で一方的に意見を述べたところで、当局に何かしらを義務付けることはできない。とりわけ何も可決していないのだから。
 5月に移植工事がされてからの4カ月間、この前代未聞の行政の暴挙に、議員らが主体的に動いた形跡がまったく見られない。事実関係や問題点を調査するだとか、当局に申し入れて対応を協議するだとか、そうした具体的な動きが一切見られず、傍観しているだけ。(当局からの聞き取りを鵜呑みにし、支持者からの声を受けとめる程度。)
今の危険な状態は当局によって作り出されたものである。除去できない危険であればやれる限りの対策を取るしかないが、撤去すれば取り除けるのに、全会一致で取り除かないことにしたのだから、議会も現状を追認しその責任を負ったわけだ。無責任に。
しかし、こんな巨大な不安定な(横倒しに置くならまだしも)ものを置く(植わっていない!)に際して、地盤の強度を確認していないという致命的な問題が、完全に見て見ぬフリされている。
ゼロリスクなどと極論で誤魔化しているが、地盤の確認など、いの一番にやらなければならないことであって、確認がないことそのものが重大な瑕疵でありリスクなのである。

道路ぎわに立てて置かれた約40本の巨木