公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

全会一致の幻想

 民主主義が機能していれば、全会一致などということはそうそう起こらない。36人いる藤沢市議会で、4年の任期中、私一人だけが異論を唱えているという案件が結構あった。
 『全会一致の幻想』という現象があるらしいのだが、藤沢市議会もこの傾向があった。結果として全会一致になるとしても、多様な意見を踏まえた上で議決しようという意識がないと、大事なことを失念しているということが起きてしまうのである。
 現に、藤沢市政において、長年、当たり前と思えることが抜け落ちていた事案が多々あったのも、議会が集合知としての機能を有していないことが一因に違いない。

『全会一致の幻想』
全会一致の幻想とは、集団思考(集団で意思決定を行おうとする際、集団の結束を乱したくないという心理作用を原因として、客観的で批判的な思考および判断が妨げられる現象)に陥る際の兆候の1つである。 自己検閲(集団の結束を乱したくないという心理作用から、疑問や反論を自ら控える心理的傾向)および「異論が無い事とは賛成を意味する」という間違った認識により、各個人としては異論や意見があるにも拘らず、全会一致の状況が作られていく兆候を指す。(
ウィキペディアより)