公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

リスクマネジメントと科学主義

子宮頸がんワクチンの積極勧奨をするべきだ、との主張と、副反応疑いとの因果関係が払拭できないのであるから定期接種も中止せよ、との両極の主張がぶつかっている。
現状は、定期接種となってはいるが、積極勧奨はされていない。
藤沢市議会などは、2017年6月議会で、被害者団体からの中止を求める陳情を賛成多数で可決し、国に対して意見書を出している。議会の判断は、市の対応にも影響する。
私は、少なくとも、誰もが任意に無料で受けられる定期接種であることは維持するべきだと主張し、反対した。しかし、公共の公衆衛生施策としては、接種率を上げなくては意味がない。
名古屋スタディ等でワクチン接種と副反応疑いの因果関係が認められなかったことからすると、接種時期と副反応疑いと同様の症例が自然発生する時期とが被ることで、因果関係があるように錯覚している可能性が考えられる。ならば、接種時期を接種可能な9歳まで引き下げることも検討するべきではないか。
また、以下のようなサイトで懸念されているワクチンの成分や設計についても、より安全なものとなるよう、不安が払しょくできるよう、常に改良、リスクの低減に努めるべきだ。
http://vaccine.luna-organic.org/?page_id=20
リスクのない科学技術など存在しないのだから、予防効果が明らかで、副作用のリスクより病気で死ぬリスクの方がはるかに大きいのであれば、みすみす死を選ぶよりは接種するべきだ、とも思えるが、死に繋がるウイルス感染は予防できても、一方で、生活の質や生殖・遺伝に悪影響があるのであれば、死ぬよりマシだろ、と言えるほど単純な問題ではない。
原理的に、悪影響のあるなしを全て把握しきれはしないのだから、常に科学を過信してはならない。