公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

武士は食わねど高楊枝

西村新型コロナ法・経済再生担当相「歳費は頂いてます。頂いた分、仕事はしっかりしていると思っている。無駄には使っていません。信託に応えるため全力でやっている。全ての議員がそうだと思う」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200419-00000029-dal-ent

 頑張っているのだから、それ相応の報酬を得るのは当然だ、という感覚こそがズレているのである。
 仕事が減ったり、休業を余儀なくされている人々は、仕事をしたくても、公共の福祉(公衆衛生)のために自粛しなければならないのである。多くの業種に対しては「家にいろ」と言って仕事をさせずに収入を減らさせ、かたや、公共のために頑張って働いているのだからそれに見合った収入を得る、特別手当ももらう、というのは職業差別に他ならない。
 感染症という社会全体の緊急事態にあっては、利己を抑え、協力し合わなければならない。「家にいる」のも、必要不可欠な仕事に従事し続けるのも、同じレベルで公共政策として必要なことであるのだから、同じように処遇するべきなのである。
 その結果、同じ待遇なら、危険なことはしたくない、楽な方がいい、といって仕事をする人がいなくなるような、利己的な社会ではないと信じたい。