公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

現実味を帯びてきた長後の都市計画道路開発の課題

58年越しに本格化 
 長後は江戸末期に大山街道の宿場町として栄えた歴史ある地域で、現在は全体的には閑静な住宅地となっています。子どもも多く、長後小学校は市内でも有数の大規模校ですが、その長後小学校の真横に隣接する1957年に都市計画決定された『高倉下長後線』の開発が、50年以上の時を経て、市の道路整備プログラムで優先度1となっています。市は来年度中の都市計画変更、5年以内の着工を目指しています。
 道路整備プログラムは、現在未着手の都市計画道路13路線19区間に関し、市民アンケートを下にした開発必要性の観点ごとに重み付けを反映した有効性評価と、国交省の費用便益分析マニュアルによる費用対効果の算定によって優先度合を整理したものです。これ自体は住民要望とは関係のない評価であるわけですが、郷土づくり推進会議からの要望や毎年開催されている地区全体集会の声を踏まえて事業化に至ったとのことです。

合意形成の形骸化
 しかし、郷土づくり推進会議は開催日程や議題の広報がほとんどされておらず、公開されていても傍聴者がほぼいないのが現状です。また、全体集会についても加入率75%程度の自治会を通じて1カ月ほど前にチラシ配布をしたのみで、沿道住民でも忘れている人が幾人もいました。地域と市行政とをつなぐ重要な役割を担っている郷土づくり推進会議や地区全体集会ですから、ウェブや商店街の放送、チラシの全戸配布など、使える手段を駆使して広報に努めるよう指摘しました。 
地域づくりのグランドデザインは?
 この都市計画道路は長後にとっては一大転機となる約50億円規模の大型事業です。地域にとって実りあるものとするには、地域の未来をどう描き、どうそこにこの道路を位置付けていくのかといった、まちづくりのグランドデザインが必要です。そうしたグランドデザインを地域の人たちと一緒に描くことで、地域に根ざしたインフラ整備ができよう、私も、長後に住む市議として、役割を担えればと思っております。