公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

制服リサイクルの盲点

 昨年の12月定例会で、中学校制服の問題について取り上げました。男子はズボン、女子はスカートといった偏った男女観。公教育の普通中学であれば市内のどこであっても同等な教育が受けられるべきところ、大清水中学校だけ自由服が認められていたり、学校ごとに価格もデザインも違うことの不平等。平均4万円前後ときわめて高額で、とりわけ大清水中学校では特別な日にしか着用機会がないのに『提示服』の購入を強いている不合理について問題提起しました。答弁においては、インターネットなどで類似品(標準詰襟学生服は半額以下で購入可)があれば利用が可能であること、制服の在り方は各校の裁量となっており、生徒や保護者から異議が出れば検討委員会等を設置することが可能であることを確認しました。また、経済的な負担を補う取り組みとして、すべての学校で校内リサイクルをしているとの答弁もありました。
 しかし後に、この答弁が実態にそぐわないことが判明しました。最も不合理だと指摘した大清水中学校では校内リサイクルが行われておらず、また、最もリサイクルでの入手を必要とする入学準備をしている新入生に対して、前年度中の開催状況を案内していない学校があり、情報格差による不平等があることが判明し、実態把握を教育委員会に要請しました。
 平成29年度の開催状況は市立中学校19校中17校。開催時期(複数回開催含む)は新入生保護者説明会10校、文化祭14校、体育祭3校、PTA総会1校、保護者会2校。新入生のみが対象でない場合にホームページや地域の回覧板で公明正大に周知している学校もあるものの、新入生の入学準備に対応できていない学校がいくつもあることが確認できました。「教育委員会といたしましては、次年度入学予定の家庭を対象とした展示販売会等の機会の拡大や、在校生の家庭と次年度入学予定の家庭との間に販売会等の案内についての差が生じることがないように、中学校に対し、運営主体である保護者組織とともに工夫するよう、働きかけてまいります。」 との言質を得たので今後より意味のある取り組みとなればと思います。