公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

なぜ公務員給与は大企業水準なのか?

議案第69号藤沢市一般職員の給与に関する条例等の一部改正について
反対の討論をしました。

給与改定の説明資料

https://drive.google.com/file/d/1-mR54tPFNnhajK54wnxWAMy63HZLXmRx/view?fbclid=IwAR0BCDGuzvpQVlMmysUVJG8qgd9oqyjyiQ4gUivjSwrUDzV5Rj6Qxc1WRT0 

本議案で市の一般職員の給与を引き上げる根拠は人事院勧告によるものですが、
人事院勧告は、企業規模及び事業所規模50人以上の事業所の調査に基づくもので、
民間の給与格差が甚だしい中、公務員給与を富裕層側に合わせる考え自体に
賛同できません。

公務員は全体の奉仕者であるのだから自らの給与は平均的な水準とし、
民間の底辺を平均レベルに押し上げるべく行政に取り組むべきだと思います。  

また、今回の一般職員給与のみの引き上げは、
一般職員とその他の職員との給与差をさらに拡大します。
百歩譲って、どうせ引き上げるのであれば
非正規も含むすべての職員の給与を引き上げるべきです。
早急に同一労働同一賃金を実現するとともに、
不合理な職種間の賃金格差も是正するべきです。  

そして、今回の給与改定は、
初任給調整手当及び宿日直手当は年度当初から、
期末勤勉手当は昨年12月支給分に遡って実施するというものですが、
昨年度決算が不認定となった原因は今年度改善されたわけではなく、
今年度も不適正な事務執行が多数あったわけです。


全庁的な文書主義の不徹底を改善するにも、
必然的な事務量の増加にどのように対処していくのかとの私の本会議質疑に対し
「今回の対策は、適正な事務執行を担保する上で必要不可欠なものであり、
各課の業務を考慮した上で履行可能なものあると認識しております」
との答弁がありました。

本会議質疑 https://drive.google.com/file/d/1YPRouWRWs_onJer6T9ybrwNFRj008KD2/view?fbclid=IwAR0THfkq7VTwupiZ5XXbY7v8mJeaKBHY_n1_w2BCUPER3lWNmYSLDIb0P_s  

すなわち、形骸化している文書事務は、本来やらなければならない業務であり、
適正に管理された事務量の中に入っているということです。
そうであるのであれば、本来、やっていなければならないことをやっていなかった時間はどこへ消えてしまったのか?
本来業務以上のことをしていたのかもしれませんし、さぼっていたのかもしれません。
どちらにしても、やるべき文書事務を怠り、不適正な事務執行が横行していたわけです。  
このように市役所の仕事に不信・疑念を抱かれる状況にあって、
給与の引き上げに市民の理解が得られるとは到底思えません。
よって、本議案には反対します。