公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

石碑である必要性があるのか?

平和都市宣言碑改修費として162 万円が今年度予算に計上されていることをご存知でしょうか?
 「この宣言碑は、昭和58年からの長期にわたる屋外への設置により腐食や劣化が進んだもので、銘板を除却…今後も,頑丈な構築物として継続した周知が必要であると考えておりますので,分庁舎の再整備にあわせて改修を予定しているものです。」(企画政策部長2月定例会答弁)
 現代社会において、石碑を建てることにどれほどの価値があるのでしょうか。
 津波到達地に後世への警鐘のために石碑を建てる、といった目印のために恒久的な構造物を設置するというのであればそれなりに意味があります。しかし、早期に達成するべき核兵器の廃絶を掲げる宣言を、恒久的な石碑にすること自体が不謹慎です。また、なぜ屋外に設置する碑の材料に腐食するような素材を採用したのか?好意的に解釈すれば、そうした早期の実現を意識して敢えて脆い素材を採用したと言うことかもしれませんが、それにしては藤沢市核兵器廃絶に向けた取り組みには本気度が感じられません。
 石碑を建てることが目的に適っているのか、費用対効果があるのか、もっと効果的な啓発手段はないのか、と考え尽くした上での予算化とは到底思えません。
 発想があまりに貧弱で、安易。思考が停止しているとしか思えません。
 当初予算に紛れ込ませる市当局のやり方も卑怯なわけですが、私以外に異を唱える議員はいませんでしたから、2月定例会で可決されてしまいました。