公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

中学校防球ネット転倒事故対応にみる藤沢市役所(教育委員会)の自浄能力のなさ(市長のリーダーシップ欠如)

平成23年4月26日、明治中学校で起きた防球ネット転倒事故。当時野球部員だった生徒の首に鉄枠が直撃し障害を負わせた。市は責任を認め、平成28年12月、約6700万円の損害賠償を支払った。

<不可解な事故対応>
 事故発生時、市は警察や消防への通報を怠り、当事者からの聞き取りのみで、事故調査委員会等も設置しなかった。強風が事故原因だとされ、市が全面的に責任を被った。にもかかわらず、誰も処分されていない。まるで不可抗力による不運な事故、といった扱いである。
 製造物責任も、学校関係者の管理責任も、事故以外の可能性も、一切検証されていない。

<非科学的な再発防止策>
事故後、教育委員会は、緩衝材を鉄枠部分に巻き付けることと、土嚢を重しとすることを全市立中学校に指示した。だが、土嚢の重さも数も現場任せ。緩衝材も気休めでしかない。
 現在、事故原因となった防球ネットは転倒防止の杭がセット販売され、使用中は固定することとなっている。しかし、不備だったからこそセットされるようになったであろうに、藤沢市ではいまだに杭のないまま使用し続けている。

<学校現場の無責任>
 そして、なんと、この非科学的な再発防止策ですら(だからか?)、損害賠償額が確定した平成28年12月時点において、ほとんどの学校で形骸化し、履行していなかった。その後も、注意をされればやるが、すぐに形骸化する、といったことを繰り返している。まったく自律性が欠如しており、およそ教育現場とは思えない有様だ。二度と被害者を出さない、といった決意は微塵も感じられない。

#特報藤沢

藤沢市防球ネット転倒事故に関する入手資料
①学校長の市教育委員会への事故報告書
https://drive.google.com/open?id=193sIPNJdrr4Owc8PMCTJaAmldh-FKv7f
②市教育委員会学校指導課長通達(再発防止策)
https://drive.google.com/open?id=1ZMVYCJMq3McPB9ip120KKDJ3M8LHfgOf
③教頭会の事故報告資料
https://drive.google.com/open?id=1DPrDzYM-ZmPs4UArym9hIz3Q_4ZG5nLQ
日本スポーツ振興センターへの災害報告書
https://drive.google.com/open?id=1oG4kKGkYFfqUj1WgoHuy8VaaXM-nf-iI
全国市長会学校災害賠償補償保険事故報告書
https://drive.google.com/open?id=1yyGovxEA6VhURFjUVVsOHWJjpamwtKBe