公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

日本の戦後補償の不可解

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日本の国民への戦後補償である戦傷病者戦没者遺族等援護法は1937年以降が対象となっている。
それ以前の戦争は対象になっていない。なぜ、1937年以降の戦争だけが特別扱いされているのだろう?
そして、1938年以降は国家総動員体制であったのに、「戦争被害受忍論」を掲げながら、軍人軍属等には恩給制度を設け、民間人には戦後補償を行っていない。
国家に対しては全ての国民に責任があるのだから、戦争被害は誰もが受忍しなくてはならない、と言うのであれば一貫している。
だが、徴兵された軍人や動員された準軍属はまだしも、日本の軍国主義を主導した職業軍人が補償される一方で、歴史の渦に翻弄された民間人には補償がないというのは、戦前も戦後も、同じように利己的な既得権者たちによる政治や公共の私物化が罷り通っているこの国の在り様が変わっていないことを物語っている。