公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

コロナ禍の優生思想

東京都立大学・谷口功一教授の朝生発言(2022/01/29)
「世代間という話で考えた場合に、若い人にとっての1年間と高齢者の1年間というのは同じ価値があるものではないという考えがある。俗説で言われる法則で、5歳の人にとっての1年間は人生の5分の1だが、50歳の1年間は人生の50分の1で10倍ぐらい価値が違うのではないかという。大学生ぐらいの時は人生で最高にいい時だが、それが2年間、こういう風に過ごせと言われることの損失というのは凄まじいものがある。」
 
若者に阿るポピュリストの暴論でしかない。
「1年間の価値」などという曖昧な概念を持ち出し、比較できないものを比較しているから「同じではない」のは自明だが、若年者の方が「1年間の価値」が高い、とさも当然の如く断言しているが、単純に言い切れるものではない。
この人の主張は、言い掛かり的な優生思想に他ならない。
 

ツイッター動画内の谷口発言の文字起こし>
「知り合いの高齢者がですね。こんな家でコロナに怯えているのはね、人間の人生じゃない、とね。だから、スナックで死んでもいい、と、スナック特攻隊だ、とか言って行ったんだけれども。それで行って死ぬという選択肢もあるんじゃないかと。逆に、老人の方がですね。かわいそうだな若いもんは。もう死んでもいいわ、と。もう特攻隊になるわ、と。と言うふうに、臓器提供意思カードみたいな感じで、私はコロナになっても文句言いません、ってみんなやってくれたら、政治の方もね、あまり過度にシルバーデモクラシーみたいな感じで、高齢者に忖度しなくて済むから。ワクチンとかの医療資源を高齢者に優先的に分配するってのを、別に絶対的にどこでもそうって話ではなくて、インドネシアなんかは完全に開き直って、生産年齢人口に先に与えるわけですよね。国力落とすわけにはいかないから。その上でですね、行動制限とかなんとかっていうのは、高齢者はやっぱり怖いから、家の中に閉じこもりますよね。だけれども、それでワイドショー見てですね。わー怖い、怖い、と思って、みんな店なんか閉めてしまえ、って言うけれども。それで生活している人はいて。まあちょっと待てよって。あなたたちの年金はどこからきているの、と。生産年齢人口が世代間で仕送りしてやっているわけですよね。先ほど自殺の話がありましたけど、死んでる人ってのは若い女性なわけですよね。子供を産んでくれる若い女性を殺してるんですよ。で、誰を守ってるかっていうと、老人を守るために若い女の人を殺している、と。すごいなって話じゃないですか。もうちょっとやっぱり若い人とかは、置かれてる状況とかについては、ちょっと大きな借りを作ったな、って思ってほしいと思いますよね。」