公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

死者に向き合う責任

本能的に死体は見たくないものではある。
とりわけ日本社会では極力目に触れないようにされている。
戦争報道で、死者の数が積み上がっていく。
日本メディアでは、ほとんどの場合、死体が映る場合はボカシが掛けられているか、死体袋に入っている。
言葉で表現されても、まるで現実味がない。
一方、インターネット上には、少し工夫して検索すれば、いくらでも死体画像が出てくる。
多くの場合、報道ではなく、興味本位のサイトではある。
だが、目的はさておき、写真や動画の伝えるリアリティは言葉の比ではない。
死体の一つ一つが、戦争の非道さ、残忍さをまざまざと突き付ける。
戦争とは、死体を量産する行為だ。
やってはいけない殺人や破壊を国家が主導してやるのが戦争だ。
一番の被害者は殺された人々であり、一番の被害を覆い隠していたのでは、被害の実態は伝わらない。
とりわけ戦争に加担する者は、見るに堪えないグロテスクな死体の数々を見てショックを受けるべきだ。
見たくはない惨状を止めるためにも、同時代を生きる全ての人間が、グロテスクな現実をもっと直視するべきだ。