公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

2018年12月定例会一般質問の要点③市職員の服装規定からジェンダー差別表記を削除

2018年12月定例会一般質問の要点③市職員の服装規定からジェンダー差別表記を削除
 
2017年12月定例会の一般質問
https://drive.google.com/file/d/0B2vSue499zD0RWctUzVlZ3dsU3M/view?fbclid=IwAR0cstrgR0lJde7PmAOzHiUvcwFKSkc9EzCuIcmx4114x7MdFOH6pZUQI_c

で取り上げたことへの対応として、今年度から、藤沢市役所の服装規定から「男性職員はネクタイ着用」との表記が削除されました。しかし、まったく市役所内で周知されておらず、職員課もあえて周知するつもりはないと言うので、再びあえて一般質問で取り上げました。  そもそも、男性のみ、女性のみ、何かを義務付けるのであれば、それなりの合理性が必要です。市立中学校の制服でも、女子の制服でネクタイがあるように、ネクタイは男に限ったものではありません。なぜ、男性職員のみネクタイ着用と義務付けるのかと問うたところ、理由がないため、その表記をなくすことになりました。しかし、ネクタイが公務にふさわしいのであれば、男女ともにネクタイ着用を義務付けるということでもよかったわけです。ネクタイを締めることの合理的理由もないため、ネクタイ規定自体を削除したのでしょうが、今回、さらに突っ込んだ問題提起をしました。  
現在の藤沢市役所の服装規定には、派手な〇〇はふさわしくない、といったネガティブリストがあるのみで、公務にふさわしい服装を各々で考える自主性に委ねられています。しかし、これまでは男性職員のみにネクタイが義務付けられていたため、自ずとワイシャツにジャケット着用が標準的になっていますが、一方で女性職員はかなり自由です。例えば、女性職員は襟なしシャツにジャケットや、襟ありシャツであってもクールビズであるなしに関わらずノーネクタイが普通ですし、ジャケットすら着ていない格好が容認されています。男性職員が同じ格好をしていれば、ラフで公務にふさわしくない、と言われかねません。  
ネクタイに限らず、明らかなジェンダー差別がそこにはあります。男女で違う尺度が用いられているのです。  
男中心社会では、男性は責任ある立場、女性は補佐的役割で一歩引いた立場、といったジェンダー観によって、表に立つ男性には堅苦しい恰好を要請し、女性には寛容だった、ということではないかと思います。男女の雇用機会均等が浸透し、女性管理職が増えているにも関わらず、こうしたジェンダー観は根強く残っているのです。  
ネクタイは、クールビズでは外すことが推奨されていることからしても機能的ではなく、必要性に乏しいので義務付ける必要はありませんが、襟付きシャツにジャケット着用を標準とするなど、藤沢市役所としての理念や姿勢に基づく、公私を区別するための服装規定を設けることも必要なのではないかと私は思います。