公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

子どもの未来を応援する、とは?

新春号で、藤沢市議会で俎上に上っている
「子どもの未来応援条例」議案について取り上げましたが、
この議論は非常にややこしく、
子どもを応援することも、子どもの貧困対策も、
必要だと思っていても賛成できない問題を孕んでいるところが悩ましいところです。

子どもの未来を応援する、と言うととても聞こえがいいですが、
しかし、何をどのように応援するのか?
全ての子どもを応援しようというのであれば、
子育て支援、教育は公共の役割として、
すべて公費で負担するというのであれば異論ありませんが、
そうした観点は同条例案には皆無です。  

貧困に特化し、困難を抱える子どもを助けよう、ということですが、
貧困状態は世帯収入以外で図りようはなく、
個々の子どもの状況は把握のしようがありません。
世帯収入が少なくても子どもにはしっかり手を掛けている
という家庭が多いことでしょう。
一方で、収入があっても子育てが疎かになっていたり、
子どもの主体性を無視して親のエゴを押し付けられている場合、
子どもの権利は侵害され、
子どもが自身のために使える、使ってもらえるお金が乏しく、
そういう意味で貧困状態にあっても、
世帯収入があるために支援の対象とみなされません。  

子どもの貧困問題以前に、
育児放棄や「子どもの権利」侵害が問題なのではないでしょうか?