公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

慰労金の欺瞞

 緊急事態宣言下において、誰もが、様々な犠牲を払い、力を出し合い、対処することが求められ、善良な市民の多くは協力したはずだ。
 直接コロナ対応した医療従事者だけが頑張ったのではない。
 至る所で歪みが生じ、苦しんでいる人がいる中、なぜ特定の功労者だけを慰労するという発想になるのか?
 だいたいにおいて、医療従事者の給与水準は高く、時間外労働も手当されているはずだ。病院が赤字に陥っている一因でもあろう。
 一方、介護職などは、従前から、労務管理がいい加減な上、低賃金で搾取されているところに、コロナ対応で負担が激増したと思われる。
 この機に、介護職員の給与水準は見直すべきだし、これまでの待遇が見合っていないのだから、一時金を支給するのなら賛同する。
 個人への慰労金ではなく、来る第2波に備え、医療や介護の体制を増強し、医療従事者や介護従事者の負担を減らすことにこそ、貴重な税金を活用するべきだ。