公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

試験官の横暴 鼻出しマスクは不正か?

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 試験を妨害しようという意図があったのであれば問題外だが、試験実施側が問題視しなければ問題とならなかったのであり、問題視したことに問題を感じる。


<共通テストの「受験上の注意」には、「試験場内では、常にマスクを正しく着用」と書いてある。総務課では、「正しく着用」について、「厚労省と同じ認識です」とした。>


・正しい着用の仕方は厚労省基準による、と注意書きでもしていたのか?(大学入試センターのHPには明記がない。)
厚労省基準が正しいと言えるのか?

<同省サイトでは、「国民の皆さまへ」として、「鼻と口の両方を確実に覆う」と正しいマスクの着用をイラストで説明している。>

 マスクには、自分の飛沫拡散予防と他人からの感染予防の役割がある。
 鼻を覆う必要は、着用者自身の感染予防のためだ。鼻を出していても、咳による飛沫予防とは関係がない。鼻を出していることは、自らの感染リスクが増すだけで、他人に迷惑を掛けるわけではない。
 当人の感染予防まで強制するのなら、マスクの品質も徹底するべきだが、大学入試センターのHPでは、手作りマスクまで許容している。布マスクやウレタンマスク、隙間だらけの不織布マスクなど、大して感染予防にはならない。
 公衆衛生上のマスクの着用は飛沫予防程度でしかない。口を出していたとしても、喋る時や咳が出る時、咄嗟に口を覆うことさえできれば用をなす。

 マスクをしないで喋っていたり、咳をしているのでなければ、鼻が出ている程度で注意するようなことではないし、そんなどうでもいい不必要な注意に従わないからといって失格にするなど、あまりに行き過ぎだ。(注意しなければ、従わない、ということにもならない。)
 メガネが曇るといった理由で鼻を出すことも認めない、ともある。あまりに合理性がなく、強権的で理不尽だ。