公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

国立市の開票事務の形骸化

2022年7月10日参議院選国立市開票所

投票した一票が、本当に候補者の得票数に反映されているのか、実感が持てない人は多いだろう。

投票所と開票所では立会人が見張っているが、投票箱が閉鎖され、開票所まで運ばれる道中、どのようにして投票箱は守られているのか。

国立市の開票所を見てきたが、開票事務の形骸化は、以前藤沢市で指摘したよりも酷かった。

藤沢市の事例
https://www.facebook.com/nobu.sakai.9/posts/pfbid02ksTpYuHR7x5RCF8NfvmZ3jmZ1YdcqdygkKR7AbWhytT6yA8xmRgcfP48XeDDwEW4l
藤沢市議会議事録
https://www.facebook.com/nobu.sakai.9/posts/pfbid0jJbqXWF69e2gCnoBVubrccHmM1PcrYvjZuht2kEppZFSV7dt8PfCs6k1AG36Jks8l
市政レポート
https://drive.google.com/file/d/0B2vSue499zD0bzZQSmdhRUpjaTA/view?usp=sharing&resourcekey=0-EIOi7OFaTm3jHXmstPGU0A
国立市の場合、投票箱の鍵を入れた封筒を封すらしていないのが大半で、封緘印など皆無だった。開票立会人による確認もしていなかった。

藤沢市議会で取り上げた時、他の自治体でも同様なことがあるかもしれないから情報を共有してほしい、と求めておいたはずだが、やはり全国で横行しているのに違いない。
開票所にいた共同通信の記者(腕章だけで名刺すら持っておらず、名乗ることすら拒んだから、本物の記者なのかも怪しいが)にも記事にしてはどうかと話してはみたものの、反応は薄かった。
こういうことは、選挙の公正を担保するために抜けてはならない基本的な行程なのであって、その意味が分かっていないからこそ形骸化していることに気が付かないのだろうが、こういうところを見落としているようでは、せっかく莫大な経費を掛けて厳正な選挙を演出しているのに台無しだ。投票所や開票所に高い報酬を払って立会人を張り付けている意味もない。
国立市選挙管理委員会の職員は、当初、きちんと鍵を封緘して投票箱と一緒に運び、確認してから開封している、と嘯いた。それが目の前で実行されていないことは明らかだから、すぐに不適切な取り扱いがあったことを認めたが、この人たちは、過ちを素直に認めず、隠す体質があるのではないか、との不信感も抱かざるを得なかった。

 

国立市選挙執行規程は今回確認した違反)
(投票箱のかぎの送付)
第30条 投票管理者が同時に当該選挙の開票管理者である場合を除く外、投票管理者は、投票箱を閉じた後、投入口のふた及び側面のかぎを各別に封筒に入れ、投票立会人とともに封印し、その表面に投票区名、投入口のふた、側面のかぎの別及び保管者の氏名を記載して投票箱とともに、これを開票管理者に送付しなければならない。
(投票箱等の受領)
第37条 開票管理者は、法第55条及び法第48条の2第5項において適用して読み替える法第55条の規定による投票箱等の送致を受けたときは、投票所の投票管理者及び投票立会人又は委員会の面前において、投票箱及びそのかぎの封印の異状の有無を検査し、送致を受けた書類を点検した後これを受領し、確実に保管しなければならない。
(開票前の投票箱の検査)
第38条 開票管理者は、開票所において、投票箱を開く前に、開票立会人立会いの上、投票箱及びかぎの異状の有無を検査しなければならない

封緘どころか、封筒から鍵が出た状態で開票所に搬入される投票箱(2022.7.10くにたち市民総合体育館) pic.twitter.com/DYjHWfnS8b

— 酒井信孝 (@nobutaka2012) 2022年7月11日