公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

議案第44号平成30年度藤沢市一般会計補正予算(第2号)に対する市民派クラブの討論

藤沢市議会議員 <酒井のぶたか>です。 

議案第44号平成30年度藤沢市一般会計補正予算(第2号)に対する市民派クラブの討論を行います。  

補正予算議案の内、学校施設環境整備事業費(小学校)については本会議で質疑しましたが、その質疑に先立ち行った担当課長からの聞き取りでは、当初、今回のリース方式によって導入する空調設備が、耐用年数の分類でいうところの6年の「器具・備品」に当たるのか、13年もしくは15年の「建物付属設備」であるのかもあいまいで、「建物付属設備」であるけれどもリース方式だと設計期間を要さず早い対応ができる、とめちゃくちゃな説明をしていました。  従来の直接施工方式では必要だった過程がリース方式では省略されるなどということがあっていいのか、との疑問から質疑の必要性を感じたわけですが、聞き取りの翌日、実は、耐用年数の分類は「器具・備品」の分類であったとの訂正がありました。すなわち、「器具・備品」としての簡易な取り付けであるために、ダクトの施工など大掛かりな工事が必要なく工期が短くて済むというに過ぎなかったわけです。  

はたしてこうした初歩的な認識不足があった中で、リース方式と直接施工方式のメリットデメリットをきちんと比較検討した上での最善な選択ができているのか、甚だ疑問です。   


答弁では「長期的な費用比較といたしましては、仮に15年間で試算した場合、再リース料を含めて、ほぼ差が生じない状況でございます」とのことでしたが、「6年間のリース終了後は、その時点において、機器の状態やそれぞれの施設の状況、児童数の推移などを勘案し、再リース・譲渡・撤去等、取り扱いについてリース事業者と協議し決定していくものと考えている」との答弁もあり、再リース・譲渡・撤去では大きな違いが生じるにもかかわらず、それはその時の協議、というのでは、何をどのように試算しているのか理解に苦しみます。リース期間終了時の協議次第で得するのか損するのかが決まるといったあいまいな契約で、市が損する可能性があるのでは困りますので、入札時には、市が損失を被らないように入札仕様書をしっかり詰めてください。  

それにしても、リース方式であるために国庫補助が活用できないとしても、長期的な費用対効果に差が生じないというのであれば、なぜ、これまで直接施工方式を選択してきたのでしょうか?リース方式を用いて入れば、もっと早く全校の整備を完了できていたかもしれません。  今回、前倒しでの整備を行う根拠としても「今夏の猛烈な暑さで熱中症などに対する厳重な警戒が必要となっていることから」との答弁がありましたが、藤沢市における今夏の暑さが過去の気象データと比較して特段の猛暑であったということはありません。これまでも、夏の教室環境が過酷であったことに変わりはありません。早く整備された学校と遅く整備された学校とでは不公平が生じてしまいました。

学校間での教室環境に不公平がないように、空調整備を早く全校完了するべきだと従来から思っていますので本議案に反対することはしませんが、市民から預かる大切な税金を支出するにあたり、しっかり説明責任を果たすよう要望し、本補正予算議案に対する賛成の討論といたします。

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