公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

根拠なき財政難を言い訳に使うな

中期財政フレームをもとに「5年間に財源不足584億円!」といかにも藤沢市が財政難に陥っているかに訴えている候補者が多いですが、これは間違っています。

市議レポート15号にも書きましたが
2016年に公表した中期財政フレームが「藤沢市の財政が厳しくなりつつある」との印象に拍車を掛けています。毎年の概算要求で生じる平均約100憶円の収支乖離は予算編成過程で解消しているのに、5年分を積み上げて見せたことで、あたかも5年後に545億円もの収支乖離が生じるかの誤解を与えています。
少子高齢化による税収の減少、社会保障関係費の増加、公共施設の老朽化による建て替えなど、義務的な財政需要の増加で、政策的経費が圧迫されているのは明らかですが、あくまで政策的経費は非義務的経費です。財政のゆとり・余裕がなくなったからといって「財政が厳しい」と思うのは、恵まれていることが当たり前となって正常な感覚が麻痺しているのに違いありません。そして、これまで実際に余裕があったために、藤沢市は本気で財政の縮減に取り組んでこなかったのが実態です。
本来、財政の厳しさに関わらず、最小経費で最大効果を目指すのは地方自治法に謳われている地方自治の鉄則です。