2022-02-13 相対的貧困と絶対的貧困 問題提起 人権 政治 相対的貧困と絶対的貧困は混同されがちだが、深刻度や抱える課題はまるで異なる。 相対的貧困とは、世帯の所得がその国の等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない状態。 日本の場合、2019年の国民生活基礎調査によると2018(平成 30)年の貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)は 127 万円で、相対的貧困率は15.4%。 一方、絶対的貧困とは「生きるのが困難なレベルで生活水準が低い」状態。 世界銀行は国際貧困ラインを「1人あたり1日1.9ドル以下で生活する層」としている。 2020年の世界人口(約78億人)に占める国際貧困ライン以下の割合は9.1~9.4%(約7億人)と予測されているが、コロナ禍でさらに増加しているとの見通しが示されている。 日本の生活保護基準は相対的貧困の貧困線を上回っているから、制度上は絶対的貧困にはなりえない。しかし、等価可処分所得が貧困線以下でも、資産があるなどすれば保護対象にはならないし、日本はデフレだから、1日2ドル以下でつつましく生活している人はざらにいるが、絶対的貧困とは程遠い。