公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

精神障がい者の交通運賃割引制度を求める意見書の採択に賛成

以下は、精神障がい者の交通運賃割引制度を求める意見書に対する私の賛成討論の全文です。  

 議会議案第12号「精神障がい者にも他障がい同等の交通運賃割引の適用を求める意見書」に対する市民派クラブの討論を行います。  
 入院平均日当は一般病院の約3割、入院患者に対する医師数は一般病床の3分の1、看護師・准看護師は3分の2と規定しているいわゆる精神科特例による劣悪な入院環境における、長期入院傾向や隔離室使用、身体拘束といった人間の尊厳を踏み躙るような扱いがしばしば問題となっています。  
 障害者を社会のお荷物であるかのように施設に閉じ込めておく悪しき慣行から脱却し、地域の中で支え合い共に生きる、共生社会に向けた地域移行、地域包括ケアシステムの構築を推進しているわけですが、障害の当事者や介護者の地域生活をサポートするための運賃割引制度はそうした地域づくりの一環です。しかし、3障害の内、身体と知的に関しては当事者と介護者の運賃割引制度が充実しているにもかかわらず、精神に関しては制度を設けていない交通事業者が圧倒的に多いのが現状です。とりわけ自立困難な多くの精神障害者にとって、地域生活を支える介助者の存在は必要不可欠です。障害者自立支援法で障害者福祉サービスの一元化が図られているにも関わらず、精神障害のみが社会的サポートにおいて欠けているのは誤解や偏見によるものとしか思えず、合理的な理由があるようには思えません。  
 よって、国や自治体が精神障害当事者や介助者の交通運賃割引制度が普及するよう施策を講じるよう求める本意見書の採択に賛成します。