公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

国立市政の解体的出直しの必要

令和3年10月総選挙投票事務要領抜粋切り抜き
情報公開請求で国立市選挙管理委員会の投票事務要領過去4年分を入手しました。
令和元年7月参議院選、令和2年7月都知事選、令和2年12月市長選、令和3年7月都議選、令和3年10月総選挙、令和4年7月参院選。並べてみると、書き込まれた注釈に変遷が見られます。
令和元年7月参議院選にはないのに、令和2年7月都知事選には「※投票終了後、投票箱の施錠を必ず確認してください。(昨年、投票終了後投票箱の施錠忘れの事例が発生しております。)」とあり、令和2年12月市長選、令和3年7月都議選にも同じ記載がある。そして、令和3年10月総選挙、令和4年7月参院選には「※投票終了後、必ず投票箱の施錠の確認をお願いいたします。(昨年、他自治体において、投票終了後投票箱の南京錠が上手く施錠されておらず、開票開始時間が遅れてしまうという事例が発生しております。)施錠漏れの場合、選挙無効となる恐れもありますのでくれぐれも御注意の程よろしくお願いいたします。」と書かれています。
 前者には「他自治体」と書かれていないことから、国立市で起きたことなのかと思い選管事務局長に尋ねたところ、これらは他市を視察した時に目撃した一つの事例をさしており、本市で生じたものではない、とのことでした。
しかし、同じ事例を指していながら全て「昨年」と書いているいい加減さもさることながら、注目すべきは、4年前に他市で起きた事故を目撃し、投票箱の施錠の異状が選挙無効になるほどの重大事案であることを認識していたということです。
南京錠が施錠されていなかった場合は大事になる、と認識しながら、南京錠が閉まっていても鍵がいつでも使える状態にあれば開けてから閉めれば発覚しないのだから何の意味もない、ということになぜ思い至らないのでしょうか。すなわち、もし鍵を封印した封筒に異状が見つかれば、鍵を使って投票箱を開けられた可能性のある重大事犯です。国立市では封印作業自体を怠っていたわけですから、異状もなにも、全てが異状だったわけです。まさしく選挙無効とされてもおかしくない常軌を逸した異常な選挙事務が長きにわたって常態化していたのです。
あまりに整合性がなさすぎます。
市民の信頼を裏切る背信、信用失墜行為であり、行政・公務員としてあるまじきこと。関与していた職員の処分はもとより、見過ごしてきた市長や議員らの責任も問われなければなりません。
国立市政の解体的出直しが必要です。