公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

国立市建築営繕課長の詭弁

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国立二小改築設計の階層スロープは、肢体不自由の当事者団体からの要望が契機となっており、求められている機能の一つは、車椅子利用者が火災時に一人取り残されても避難できること。
しかし、「緊急に避難しなければならない火災発生時には、吹き抜け構造であるスロープは防火スクリーンシャッターによって竪穴区画となるため、参考とされているメーカーに確認したところ、車椅子利用者は想定されておらず、シャッター下部の危害防止装置のバーが障がいとなるため自力で入ることは無理だろうとのことです。」と私は陳情趣旨説明で述べた。
それに対し、議員からの質疑で確認を求められた建築営繕課長は「ウォークスルー耐火スクリーンというものも実際にあって、段差がないものもあります。」と答弁して、私の懸念を否定した。

翌日、本当に段差がない製品などあるのか?と問い合わせると、
同課長「確かに、私の方で、段差のないものもあります、と回答しています。十分に火災時に使うことができますと言う風に話しているので、メーカー名は伏せさせてもらいますけど、メーカーの方に確認して、ウォークスルーという商品で段差がまったくないという商品は見当たらなかった、と。段差は1.5㎝、1.6㎝、そのあたりのものはあると確認できました。言ってることには相違はないだろう、ということで、改めて本会議等で、違うことを言っていました、申し訳ございません、と言うつもりはない、とお伝えしようかと思っています。この話は上の者にも伝言して、上のものとも考え方は同じと確認は取っているところです。」

議会で言ったことが間違っていたということを認めているということか?

同課長「ううん、だから、ゼロということであれば、間違ってます。酒井さんがいう段差がないということがゼロということを指しているのであれば、認識の違いになってしまいますので、酒井さんに対しては誤解を与えたということで申し訳ありませんでしたとお話させていただいて、この趣旨については、障がい者団体やUさんの要求というものをちゃんとキャッチしていないんじゃないかと言うことでしたので、Uさんだったりにお話をさせていただいて、私の方の伝え方、捉え方というのが違うのかというのを問い合わせていたんですけど、私の考え方ってのが間違いなかったってのが確認とれたので、その方たちに関してはちゃんと配慮できていたなって思うので、これ以上内容的に議会で違いましたと言う必要がないと判断したので、これで終わりと言うのが国立市の判断ってことです。」

こんないい加減な詭弁を弄する者が建築部門の担当責任者としてこの事業に携わっているから、こんな辻褄の合わない設計となっているのだろう。
車椅子の移動においては1㎝以上の段差は支障を生ずると言われている。1.5㎝の段差は段差がないのと相違ない、などと乱暴なことを言う人間にインクルーシブ対応の校舎づくりなどできるはずがない。特別扱いされている当事者団体やU氏が大目に見てくれたことが正当化の理由になりもしない。
1.5㎝というのも非常に怪しい。私の確認したメーカーの担当者が言うには、危害防止装置が1.5㎝、通しのバーが1.5㎝、計3㎝以下の段差しか生じないような製品を自分は知らない、とのこと。
建築営繕課長がメーカー名を伏せたから確認のしようがないが、メーカー名を伏せる必要もないし、いい加減な同課長の自己正当化のための情報など鵜呑みにできはしない。