公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

議会行事で宴会芸の非常識!

 7月末日、姉妹都市松本市との親善交流事業が藤沢市で開催されました。合同研修会と市政交流会の2部制で、公費90万円が支出されました。

会食を主とした交流会の席上、藤沢市議会の議員有志によって芸人グループブルゾンちえみwith Bの『キャリアウーマン』を真似た出し物がありました。女性議員3名がブルゾン、男性議員2名が“with Bに扮し、途中で男性議員がワイシャツを脱ぎ捨て上半身裸となるパフォーマンスでした。

 このような芸風をとやかく言うつもりはありませんが、こうした性的羞恥心に働きかける宴会芸を公的な行事で議員が真似して見せるというシュールさに、愕然としました。公式行事にふさわしくなく、松本市議会への失礼・侮辱であり、藤沢市議会の品位を汚す行為であると私は思いました。

 出し物は3人以上会派の代表者会で議長に一任されたもので、サプライズであったためほとんどの議員は事前に知らされていませんでした。少なくとも私自身はセクハラだと感じました。交流している両市議員は相手市への配慮からその場を抜けることはできないし、居合わせた議会事務局職員や市職員、ホテル関係者は業務上、そこにいることに強制力がはたらいていたわけですから、セクハラ被害が生じ得る不適切な行為だったと思います。このことを議会運営委員会や本会議の一般質問を通じて問題提起しました。

 しかし、議会運営委員会では委員長が「私の個人的意見としては、あなた以外の皆さんは喜んでいた」と述べたのに対して、他の委員からは特段の意見は出ず。一般質問では市の使用者責任を問いましたが、答弁は一般論に終始。途中、上半身裸になった男性議員の一人から「不穏当発言の取り消しを求める」と突然の通告外発言で中断させられ、議会の品位を貶める暴挙を取り上げた事が逆に議会の品位を汚したかに扱われる始末でした。

 セクハラは、往々にして加害者にハラスメントの認識がありません。相手との関係上、被害を訴え出ることも難しいものです。だからこそ、組織による事前の防止、事後の検証、再発防止が必要です。

 市民の付託を受けた議会のやることとしては常軌を逸しており、人権感覚がどうにかしているとしか思えません。