公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

「経済を回さなければならない」は政治・行政の責任放棄だ

「経済を回さなければならない」というのは政治・行政の責任放棄にしか聞こえない。
 緊急事態宣言を解除しても、「新しい生活様式」を徹底しなければならないのであれば、自由な経済活動などできやしない。日本国内が小康状態でも、入国規制が解除できなければ、インバウンドも見込めない。有事における業種間の有利不利もある。事態が終息しない限り、宣言の解除如何に関わらず、全てが平時のようには回らない。
 非常事態なのだから、金に糸目を付けず、ジャンジャン資金を投入しろ、との声もあるが、後先考えずに自暴自棄に走るのも無責任。多くの国民は、非常時に平時と同じであることまで求めはしない。従来、日本には物が溢れ、生活レベルを落とす余地は大いにある。非常時に我慢は致し方ない。(「我慢は美徳」は古き良き日本の精神ではないか)
 終息するまでは、経済社会は平時のようには回せないのだから、むしろ政治行政の責任で調整し、そのかわり平時にも増して全ての国民の基本的な生活保障に責任を持つ、終息後に向け経済社会基盤は延命する、くらいであるべきだ。
 だが、緊急事態宣言下にあってさえ、公共政策のすべてが中途半端で、格差は拡大し、本当に困っている人々が救われていない。宣言解除後が思いやられる。