公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

有事に平時の論理の詭弁

都は特措法第24条第9項に基づき、劇場等に対して無観客開催を要請している。
要請の但し書きには「社会生活の維持に必要なものを除く」とある。第24条第9項に基づく要請には罰則はなく、事業者のモラル(自主的な判断)に委ねられている。
しかし、もし演芸場を「社会生活の維持に必要なもの」と見做すなら、対象となる施設などなくなるに違いない。
有事下に平時の論理を持ち込んでも意味がない。
確かに、有事下においても必需である人はいるかもしれない。そうした個別事象へは個別に対応する必要はある。
しかし、都の要請は不特定多数の人々を対象とする営業施設に関するものだ。感染拡大防止のためには社会活動を抑制する必要があるから、必需ではない施設の利用は極力制限したいのである。劇場等が、誰もが日常的に利用する施設でないことは明らかだ。
緊急事態措置は、緊急事態を凌ぐための一時的な対策に過ぎず、永遠に続くわけではない。