相互監視を強いる政府の愚行
憲法の保障する「営業の自由」は、「公共の福祉に反しない限り」であり、反する場合には制約することは可能だ。むしろ、必要なこともある。
問題なのは、民間の商取引関係に公権力の行使を肩代わりさせようとしたことにある。
取引関係に割入り、優越的立場にある側を利用して、弱い側が制約を守らざるをえないように仕向けた。
行政処分された事業者との取引に注意喚起する程度であればまだしも、行政処分の対象となる前から制約遵守の働き掛けや取引停止の判断を求めるのは、行政処分を代行させるようなものである。相手の営業実態を調査するような権限もないのに、そんなことをし始めれば、当然、商取引上の関係は損なわれる。
相互監視や同調圧力に頼る、安易かつ陰湿なやり方は、人心を蝕み、社会を歪める。