公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

国立市議会のICT化の遅れと欠陥

国立市議会はICT後進議会と言っても過言ではない。
ICT化の意欲が極めて薄い。

市政を理解するのに議会の会議録はとても役に立つ。多くの議会がホームページ上に会議録検索機能を設けている。
議会の会議は大きく分けて本会議と委員会がある。一般的に委員会の方が踏み込んだ議論がなされ情報量が多い。
しかし、国立市議会は委員会を会議録検索の対象としていない。

トップページ | 国立市議会会議録検索

委員会の会議録は直近4年分をPDFで掲載しているのみである。

委員会記録/国立市ホームページ

都内の都区市50議会の内、委員会を対象から除外しているのは国立市議会と多摩市議会のみ。
なぜ国立市議会はそんな独自路線を歩んでいるのだろうか?
調べようにも、どこにも説明はなく、委員会発言は議事録も検索できないから調べようもない。議会事務局に問い合わせると、議題の一覧だけが内部資料としてあり、検索機能導入時の会派代表者会議の会議録のみが見つかった。

drive.google.com

議事録を見れば、その議会の体質が透けて見える。
休憩を多用して、本音の議論が載らないように議事録を繕っているような議会は、市民に知られたくないうしろめたい何かがあるのに違いない。
しかし、そもそも会議を非公開にし、議事録を作成していないようなのはまさに密室政治。議事録を操作して、きれいに繕って見せているのと、あくどさに大差はないが。

代表者会議を非公開にして、そこで実質的な意思決定をしている議会もあるから、国立市議会は会議録を作成して公開しているだけましではある。が、休憩が多用されており、書かれている発言だけを見ると、IT音痴の集まりにしか見えない。他の自治体とは違う独自路線を選択するに至るべく、慎重な議論を尽くしたようにはとても見えない。そして、事務局が記憶する限り、その後、会議録検索に関する議論はないという。事務局も紙の会議録を繰って確認するしかないのだから、埋もれた議論はあるのかもしれないが。

それにしても、不便極まりない。国立市民は圧倒的に損をしている。
ウェブ上にPDFで掲載している4年分の委員会議事録も、会派代表者会議や会派会議まで載せているのは立派だが、一方で、それらは図書館等の紙ベースでの配架はしていない。すなわち、インターネットを使えない市民はアクセスできない。
矛盾だらけで、やってることの整合性がまるでない。
このような状態を長いこと放置している議会関係者らの見識が疑われる。
全体として、透明で開かれた議会を目指そうという意欲に欠けている。
議会の透明性は地域の民主主義を左右する。