議会制民主主義の根幹に関わる会議録の利便性
本日、国立市議会議会運営委員会で陳情審査がありました。
下記が私の趣旨説明です。
概ねご理解いただき、全会一致で採択していただけました。
予算措置が必要なため、合意形成にそれなりの時間がかかるだろう、との意見もありましたが、費用対効果は絶大ですし、何よりも国立市民全体の利益のために、一刻も早い実現を望みます。
お時間をいただきありがとうございます。
陳情27号の趣旨を説明させていただきます。
この陳情は、国立市議会のホームページに設置されている会議録検索の対象に、委員会を加えていただきたくお願いするものです。
委員会の会議録は、議会ホームページ上の委員会記録というページに約４年分がPDF形式で掲載されていますが、それは会議録検索の対象になっていません。ホームページ自体の検索窓から検索は可能ですが、その方法だと市の様々な情報と混在した検索結果が表示されてしまいます。また、委員会記録の一覧から除かれた４年以上前の会議録は検索できません。
国立市のように、議会ホームページの会議録検索で委員会を対象としていないのは、私が調べた限りでは、東京都内の都区市５０議会中２市だけです。なぜ、国立市議会は委員会の会議録を会議録検索の対象にしていないのでしょうか？
議会事務局に問い合わせたところ、過去の議題一覧を用いて、平成１６年に検索機能を導入した時の会派代表者会議の会議録を見つけていただきましたが、休憩が多用されており明確な理由を読み取ることはできませんでした。検索機能を導入して以来、委員会の会議録を除外していることを問題視するような発言が、歴代の議員からあったのかどうかも、検索できないためわからない、とのことでした。しかし、その後、エクスプローラーの検索機能を使えば、PDFファイルを保存しているローカルフォルダ内のファイルの中身を一括して検索できることを認識していただけたようですので、保存フォルダにアクセスできる議会事務局にお願いすれば、平成１５年以降のPDFの中身を一括検索してもらうことはできるはずです。
しかし、議会事務局以外の者は、過去の委員会会議録のPDFにアクセスできないわけですから、自力で調べるには膨大な紙の会議録にあたるしかありません。相当な労力を必要とするわけですから、多くの貴重な委員会発言が埋もれてしまっているのが現状かと思われます。
また、委員会記録に掲載されている４年分のPDFにしても、委員会記録のページが設置された平成１８年ごろは３年分を掲載していたようですが、現状においては常任委員会以外の掲載期間はバラバラで、結局のところ掲載期間に関する明確な取り決めはなく、事務局が判断しているとのことです。
正常な議会であれば、会議録は恣意的に加工された情報ではなく、生に近い一次情報です。議員と行政との議論によって、より生々しく、より深く、より分かりやすい情報が記録され、市政を理解するのにとても役立ちます。会議録は合意形成の記録であり、市政の現状を理解するためや、検証するのに大いに役立ちます。
国立市民は、委員会の会議録が検索対象となっていないことで、そうではない他の自治体と比較して、インターネットで日常的に入手できる市政の情報が大きく欠落しているのです。情報格差が生じています。そのことに市民も行政も議会関係者も気が付いていない可能性があります。
なぜ会議録検索を導入した際に委員会を対象にしなかったのかはわかりませんが、最初から対象にするべきだったと私は思います。
現状においては、委員会を会議録検索の対象としていない自治体の方が稀です。
予算措置も必要になるかとは思いますが、国立市議会にとっても国立市当局にとっても会議録を踏まえて仕事をするためや、市民への説明責任を果たすためにも必要なことだと思いますし、何より国立市民のために必要です。
陳情する前、議会事務局に問い合わせた際、委員会の会議録を検索対象にぜひ入れてもらいたいと要望しましたが、数日後、事務局で検討することとなり、ニーズ調査から始める、との回答がありました。議会の中でどのような情報共有や合意形成が図られているのか、議会事務局や議長の独断専行なのかはわかりませんが、ニーズのあるなしに関わらず、ニーズがある場合には常に応えられるよう、むしろニーズを積極的に増やすためにも、一刻も早く会議録検索の対象に委員会を加える措置を行っていただきたく、陳情する次第です。
平成15年分からPDF形式の委員会会議録のファイルはあるそうなので、一から入力するような手間と予算はかからないはずです。何卒よろしくお願いいたします。
