公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

国立市議会の市民軽視

昨日出した陳情は、28日の議運で議員配布されるという。
国立市議会では、各定例会の陳情締め切り日までに出された陳情は、会期直前の議運で一括配布しているという。すなわち、締め切り後に出された場合は次回の定例会まで議会事務局が保管しているとのことである。議会事務局に出されているのに、議員の元に届くまでに相当な時差がある。
陳情には急を要するものもあるだろうし、急を要していないとしても、市民から挙がった声はいち早く聞き取り、問題を見極めて少しでも早く必要な措置が取られるように立ち回るのが議員としてのあるべき姿だろう。
事務局が手元に滞留させて、時が来るまで議員に伝えないというのは、議員の活動を妨げているのみならず、何より市民の声を軽視しているとみなされても致し方ない。
 また、陳情書以外に資料配布したい場合は陳情者が48部を用意しなければならないと言う。(議員21人に加え役所の分までも)
資料が一枚であれば約500円。困窮している市民にはちょっとした負担だ。
議会陳情は市民の権利(請願権)であり、貧富の差が権利行使の格差を生むようなことはあってはならない。
議会陳情は、基本的には利己のためではなく公益のための問題提起なのだから、誰もがより負担なく行使できるように配慮するのが議会側のスタンスであるべきだ。
本来、議会事務局は議員のために働いているのであって、議員は市民のために働いているのだから、市民と議員をより良く繋ぐのが議会事務局の役目であるはずである。事務局は決められたことをやっているだけかもしれないが、その本分をわきまえるなら、より良くするために自発的に動くくらいの自律性があってもらいたい。
しかし、一番の問題は、議員がこうした負の慣例を放置していることだ。気が付かないとすれば議員としての資質が疑われる。
自治体ごとにおかれた事情も違うから、それぞれのやり方があってもいいが、とりわけ市民の権利に関わることについては、平均的な水準にないのであればそれなりの理由があるべきであるし、説明責任を果たすべきである。