公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

問題志向型アプローチ

問題に向き合うことをネガティブに捉える風潮がある。
 
「あらさがし」という表現には、存在を否定し貶めるような意味合いがありそうだから、反感を感じるのに違いない。
「粗:①魚などの肉のよい部分を除いた残りの骨や頭。②米のぬか。また、もみ。③人の言動や作品のよくないところ。おちど。欠点。」
「粗探し:他人の欠点や過失を、ことさらにさがし出すこと。」(デジタル大辞泉
 
問題のない粗であれば、殊更に探し出さなくてもいい。
問題がないのであれば、欠点や過失として捉えなければいい。
しかし、問題があるのであれば、粗であろうが、何であろうが、向き合うべきなのである。
 
問題は、問題であるからには、放置してはならない。
放置すればするだけリスクは拡大する。
放置していても問題がないのであれば、それは問題ではない。
自分にとっては問題でなくとも、誰か(何か)にとっては問題であることはある。
問題を見たくない、悪い面は見たくない、という心理は、利己的な現実逃避であることが多い。
組織の問題であれば、見て見ぬフリするのは背任である。
 
解決できない問題は、放置ではなく、管理しなければならない。
問題を直視しないのはリスクマネジメントの放棄である。
 
意図的に放置されている、見て見ぬフリされている問題は、触れると反感を買う。
問題があるのに放置されている場合、大概そこには違法性がある。
 
問題は問題として認識できなければ取り組むこともできない。
問題を問題として認識できれば、大抵の場合は対処の仕様がある。
問題は、問題であるからには、大小に関係なく解決した方がいい。
気が付かない問題だからといって些細な問題であるとは限らない。
重大な問題に気が付いていないことは往々にしてある。
 
問題は殊更に探した方がいい。