公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

市民の請願権を制約する申し合わせが決定

 昨日の議会運営委員会で、陳情の負託を行わない場合のカテゴリーが添付のPDFにあるように決められました。

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 (1)~(4)に関しては、違法性が明らかであったり、審査に足る情報入手が困難で、審査に付さない判断をするのは妥当だと思いますが、(5)は市民の請願権を制約するものであるので不適切である旨の意見を表明しました。(私は準委員なので、発言権はあっても表決権はないのです。)
 本来、憲法には「第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」とあり、「第十六条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。」とあります。
 民主クラブの柳田委員などは市職員のプライバシーを守る必要があるといった主張をしていましたが、憲法15条の意味を全く理解していない。公務員は全体の奉仕者であって一般人ではない。公務外の私的生活は保護されるべきですが、一般市民に比べプライバシー権は制限される。市職員の処分は市の事業の範疇であり、審査できないわけがないし、公務員の罷免に関しては市民の請願権として保証されなければならない。
 柳田委員は、陳情は必要ない、とまで言った。
 そもそも、陳情の存在意味(5月11日の投稿を参照ください)を解さない委員が多い中で、市民の請願権を制約する申し合わせが決定されてしまったことは、藤沢市議会の汚点となることでしょう。
 さらに、この申し合わせは極めてあいまいで、項目に該当する場合に審査するかどうかを協議するのか、項目に入っていれば審査しない前提で項目に入っているのかどうかを協議するのか?私はあくまで前者であることが確認されたと思っていますが。