公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

無計画な学校樹木の移植は美談か?

美談などではなく、公共政策として異常としか思えない。
クラウドファンディングで費用を捻出するとしても、行政が一部の市民グループとの協議でこんなことを許可してしまい、後で無駄になったらどうするのか?
そもそも、こんな形で残すことが「樹木を保存する」「命を大切にする」ということであるはずがない。
ある程度の樹形を保って移植するのであればまだしも、こんなに切り詰めて、手足をもぎ取られたような形で移植したところで何の意味があるのだろうか?
 樹木にとって、こんな風に移植されることが幸せであるとはとても思えない。
新しい校庭に切り詰められた古木が何十本も並べられるというのも異様な光景だろう。
何割かはそのまま枯れてしまうに違いない。
新しく苗を植えて育む方が余程健全で教育的なのではなかろうか。
経過としても、もともと予定されていなかったのに、急遽行政と市民グループが協定を結んで実行したとある。
議会等、公の場での合意形成がなされておらず、予算化されている国立第二小学校改築工事実施設計ではまったく予定されていない。
どこまでの費用を市民グループが負担することになっているのかは分からないが、移植後の費用も長期に渡って相当なものだろう。結局行き場を失うということも大いにあり得る。
こんな場当たり的で無計画、無責任なことを、公共事業として容認していいわけがない。