公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学)

元藤沢市議酒井信孝のブログです。

行政

引き返す勇気なき国立市議会

瑕疵を治癒させるための費用は必要経費である。 当然、責任の所在を明らかにして、損害に見合った処分をしなければならない。 これまで掛けた費用がもったいないだとか、追加費用が掛かるからと、瑕疵があるまま強行するのは愚の骨頂。 とりわけ建築物は、一…

PFOS汚染に関する行政の無責任

東京多摩地域の有機フッ素化合物汚染が明らかになっているのに、行政は何の注意喚起もしていません。 www.tokyo-np.co.jp この記事で注目すべきは「浄水器の活性炭がPFASの約9割を除去するとの世界保健機関(WHO)の研究がある」という部分。 少しでも汚染被…

国立市選挙管理崩壊のミステリー

国立市が選挙管理を10年以上に渡って怠っていた問題で、最大のミステリーはこちらです。 https://sakainobutaka.hatenablog.com/entry/2023/01/20/222114 南京錠の「施錠漏れの場合、選挙無効となる恐れもあります」とまで明記しながら、南京錠の鍵の管理…

PFOS汚染 被害拡大を放置する行政の無責任

www.jetro.go.jp 記事には、米国環境保護庁は、これまで水道水1リットルの含有量はPFOA・PFOS合算で70ナノグラム以下を安全基準としてきたが、PFOSは0.02ナノグラム、PFOAは0.004ナノグラムに変更。その理由を「最新の科学的見地を踏まえ、生涯にわたって摂…

言葉先行を認めるスローガンを根拠とする国立市の公共事業の杜撰さ

国立市教育委員会は、国立第二小学校改築事業の巨大な階層スロープの第一義的な目的は、フルインクルーシブ教育のためだ、と説明している。 一方、昨年8月31日の本会議答弁で国立市の教育長は「フルインクルーシブという理念を推進するに当たって、これは国…

国立第二小改築事業実施設計の瑕疵

国立第二小学校改築事業に設置予定の巨大な階層スロープは、火災発生時には防火スクリーンシャッターによって四方が囲われ竪穴区画となる。進入口も塞がれる。メーカーサイトには「災害弱者にやさしい」とあり、画像検索すると車椅子でも進入可能とされてい…

国立第二小学校改築事業に設計VEの導入を求める陳情

本日、国立市議会に陳情書を出してきました。 drive.google.com VEとはバリューエンジニアリングの略で、費用対効果を最大化するために検証・検討・提案する専門的な手法です。 ここでいう価値とは機能とコストの関係のことで、同じコストで高い機能が得られ…

国立第二小学校建て替え事業の杜撰さ

国立第二小の建て替え事業は、インクルーシブ教育を大前提としながら、基本構想(国立市ではマスタープランと言っている)段階から多様な主体と共に進めることなく、実施設計の終盤になって当事者団体から階層スロープ設置の要望が出された。この段階でそれ…

開票管理者と選挙長の責任

開票管理者には投票の効力を決定する権限がある(公選法67条) 昨年7月の選挙で国立市の開票管理者だった国立市選管委員長は、選挙無効レベルの事務の瑕疵を指摘されながら、投票の効力を決定した。 この判断に問題はなかったのか?参議院選の選挙長(比例…

国立市学校建て替え事業の不思議

国立市政には不可解なことが多い。 変だな、と思って調べていくと、他自治体では当たり前なことが抜け落ちていたり、時代遅れになっていたり、常軌を逸していたり。合意形成の過程が曖昧なこともしばしば。 2018年から検討が始まった国立第二小学校の建て替…

崩壊していた国立市の選挙事務

www.youtube.com 「南京錠の施錠漏れ」より、南京錠の鍵を封印せずに管理していたことの方が圧倒的に重大な瑕疵だと未だに理解できていない市当局。南京錠の施錠漏れが選挙無効になる可能性があるのであれば、鍵の封印に異状が見つかれば同様に重大事案とな…

解体的出直しが迫られる国立市政

令和3年10月総選挙投票事務要領抜粋切り抜き 情報公開請求で国立市選挙管理委員会の投票事務要領過去4年分を入手しました。 令和元年7月参議院選、令和2年7月都知事選、令和2年12月市長選、令和3年7月都議選、令和3年10月総選挙、令和4年7…

国立市政の解体的出直しの必要

令和3年10月総選挙投票事務要領抜粋切り抜き 情報公開請求で国立市選挙管理委員会の投票事務要領過去4年分を入手しました。 令和元年7月参議院選、令和2年7月都知事選、令和2年12月市長選、令和3年7月都議選、令和3年10月総選挙、令和4年7…

市民軽侮!国立市不適切選挙事務の概要

国立市の不適切選挙事務の概要 投票箱の鍵の扱いに関する国立市と一般市との比較

国立市の審議会公開原則の欺瞞

「国立市附属機関等の設置及び運営に関する要綱」には「会議を開催するに当たっては、開催日程、開催場所及び公開の可否等の情報を、市ホームページ等により事前に市民に周知するよう努めること。」とあるが、ほとんどの審議会が開催予定をホームページに載…

国立市選管の会議公開の欺瞞

国立市役所の公告用掲示板 国立市選挙管理委員会の会議は公開原則となっていると選管事務局は言う。しかし、会議日程は市役所の敷地の片隅の掲示板に告示しているのみで、公開していないに等しい。 公開していると言いながら実質的には公開していないのはお…

国立市政の内部統制欠如

2017年の地自法の改正(2020年施行)で、内部統制の導入は、都道府県と指定都市は義務付けられ、それ以外も努力義務となっている。 地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドライン(総務省) しかし、敢えて義務付けられるまでもなく、内部統制…

自治体内弁護士の存在意義

自治体内弁護士は地方自治の役に立っているのだろうか?役所が、役所を弁護させるために雇用しているとしたら、そんなものは税金の無駄遣いでしかない。弁護士にも得意分野不得意分野があるし、法解釈も様々。一弁護士の意見を普遍的なものとして鵜呑みにす…

選管不正における第三者委員会の設置事例

下記は選管の「不正があった」事例ですが、国立市の場合は「不正がなかったことを証明できない=不正防止策(があるのにそれ)を怠った(意図があった可能性もある)」ということです。まだ不正があった証拠はありませんが、なかったことを証明することもで…

国立市の公共調達の瑕疵

(前の記事)癒着を生む曖昧な公契約 - 公共政策の倫理学(旧地方自治の倫理学) <矢川プラス備品購入実施要領 >には「③地域特性やコンセプトを踏まえ、これからも地域への愛着が生まれ、地域全体が元気になっていくための矢川プラスへの独創的・実現可能…

癒着を生む曖昧な公契約

プロポーザル方式は、優先交渉権者を選定し、その後、契約内容を交渉して契約する。 12月1日の国立市議会で矢川プラス備品買入契約締結議案が即決(議案の上程と質疑、採決を同日に行ってしまう)で可決した。 しかし、質疑や討論を聞いていると、契約内容と…

市長の執行機関に対する調査権

本日、総務省自治行政局行政課の職員と話して、選管に対する市長の責任についての理解が少し深まりました。 確認できたのは以下のようなことです。 ・市長はその権限に属する選挙事務を選管に委任している。 ・市長は市の「執行機関相互の間にその権限につき…

理念と現実の大きな落差

国立市役所、国立市議会は個人情報保護にこだわりがある。 住基ネットにも長らく接続を拒んだ。 個人情報の自己コントロール権を守るためのリスクの低減が重視されている。 不正や流出はその最たるリスクであるが、なぜだか内部統制の意識が欠落している。 …

深まる国立市の選挙事務の闇

本日判明した深刻な追加情報です。 まず、期日前投票所5か所の投票箱についてですが、これは最終日まで各所それぞれ同じ箱を使っており、各日終了後、鍵を閉めて本庁舎の地下書庫まで投票管理者が運び、翌日また運び出すそうですが、どの段階においても、鍵…

市長の行政委員会に対する責任

12月12日の国立市総務文教常任委員会の陳情審査において、市の法務担当から、市長には行政委員会に対する指揮監督権はない、という答弁があったが、それは平時の事務においてであって、行政委員会が不適切な業務をしており、自浄能力がないのであれば、それ…

陳情趣旨説明(国立市選管の不適切開票事務)

国立市議会総務文教委員会にて、国立市選管の不適切開票事務の徹底解明・再発防止を求める陳情の審査がありました。 youtu.be 委員の方々には真摯にご対応いただきましたが、市当局の答弁でより深刻さが増したこともあり、委員会の継続審査として更に追及し…

不正リスクと内部統制

不正検査の分野では「不正のトライアングル」というモデルが提唱されている。「機会」「動機」「正当化」これら不正リスクの3要素が揃うと不正が発生する。 不正防止の仕組みを作り不正リスクを減らすことは大切だが、不正は人がやるからに、組織としてやる…

国立選管の不適切な開票事務の解明を求める議会陳情

昨日、国立市選挙管理委員会の不適切な開票事務の実態解明を求める議会陳情をしてきました。帰りにこの件に関する行政文書の公開請求をしてきましたが、聞き取りに来た選管事務局長の話によると、都選管へ報告した際の決裁文書はあるが、当日の業務記録や総…

ポピュリズムの頓珍漢

smart-flash.jp 議員が、議員としての活動を、有権者に説明したり表明したりすることの何が悪いのか?推奨こそすれ、批判するようなことではない。 議員の振る舞いを票のためだと矮小化するようなのはポピュリズムそのもの。ポピュリズムに迎合する必要はな…

コロナの人災

www.asahi.com 社会経済活動との両立などできていやしない。 同じ轍を踏み、想定できた犠牲を、案の定払っている。 天秤に掛けられた犠牲者の無念を想うと居た堪れない。 試行錯誤すらやめ、投げ出した分、政治・行政・社会の罪は重い。